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(報告)ジェンダーと天皇制 第一回憲法と皇室典範

新しく始まった女天研連続講座「ジェンダー天皇制」の第1回憲法皇室典範(レポート桜井大子)を2016年2月24日(水)に開催しました。

その模様を斎藤が簡単に報告します。

 

 


天皇制度の問題は、日本国憲法の第1章(天皇条項)と皇室典範に凝縮されているということで、条文を参照しつつ、改めて確認した。

日本国憲法天皇条項は1条から8条まであり、この講座の課題からみれば特に2条が問題。


日本国憲法第1章第2条
皇位世襲と継承】皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。


なぜわざわざ「世襲のもの」と憲法に明記しているのか。
明治憲法において、天皇の地位とその継承は第1条と第2条で「万世一系」かつ男子の子孫に限ると規定されていた。
敗戦後、憲法を改正する際にさすがに男子に限るというのは入れられなかったので、「世襲」とだけ入れ、あとは皇室典範に丸投げしたのではないか。
その皇室典範には、バッチリ、男子に限ると明記されている。

 

(現在の)皇室典範第1章第1条
皇位継承の資格】皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。


天皇制度、皇室典範は、基本的人権の尊重平等主義、民主主義を掲げる日本国憲法との齟齬が大きすぎる。そもそも世襲でない天皇制はあり得ない。女性が男子を産むことによって「のみ」成立する世襲制を憲法と法律で決めていること自体がおかしい。女のからだは女自身のもの、国家にもイエにも管理されるべきでない。
とどめは、皇族の身分について定めた第15条。皇族以外のひとは、女性は皇后となる場合と、皇族男子と婚姻する以外、皇族にはなれない。家父長制、イエ制度そのもの。
第2条ではズラズラと皇位継承の順序が。一族内の序列ですね。
第6条では、王/女王は「嫡出の」と規定され、第9条で養子が禁止されている。
とにかく、女が皇族男子とセックスして女子ではなく男子を産まねば成り立たないのが、天皇制。

このように、憲法皇室典範によって存在が規定され、あらゆることが皇室会議で決定される存在としての「天皇」が、この国の「象徴」であり、「特別な人たち」として当然視され、天皇家の存在は「規範」として刷り込まれていく。

 

ケーススタディとして、昨年12月に出された夫婦別姓最高裁判決と、再婚禁止期間の判決を振り返った。

敗戦後、新しい憲法に変わり、民法も一部変わった。戸主制度が廃止され、イエ制度が廃止されたことになっているが、いまもなお人々の意識、社会通念として残っている。憲法皇室典範を見直してみると、天皇制の影響は疑いようもない。
憲法第2条と皇室典範第1条は、旧民法の家族観を押し付ける役割をしているのではないか。

 

「女性が天皇になれたら皇室の女性観も変わり、それは少なからず日本社会に影響を及ぼす」という論調もあったが、そもそも世襲制である以上、構造は変わらない。ましてや、皇太子妃雅子に同情して終わりの話ではない。
日本は、このような「天皇」を「日本国と日本国民統合の象徴」としている。「改革」ではなく「制度の撤廃」が必要だと確認した。
(了)